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元記事はここです。 Berliner Morgenpost Jan. 14, 1997 Liebesbeziehung zur Schoenen Muellerin |
コミッシェオーパのスター、カウンターテナー Jochen Kowalski との会話 リポーター Volker Blech |
彼は自分がスターであることを若々しい学生のようなベルリンっ子の喋り方(ベルリン訛り)で、まったく媚びを売ることなく否定する。アルトの Jochen Kowalski は、所属するコミッシェオーパで20日木曜日の20時から歌の夕べに出演する。プログラムではフランツ・シューベルトの「美しき水車小屋の娘」をマーカス・ヒンターホイザーのピアノ伴奏で歌う。ベルリナー・モルゲンポスト紙(以下「BM」)はシンガーと対談した。 |
BM:コミッシェオーパーでの出演が、まれになったような印象を受けるのですが。 JK:いや(「いいえ」のベルリン口語体)ただ、所属先のコーミッシェ・オーパーが他の劇場で歌うことに対し、真の自由を与えてくれているという大きな幸運に恵まれています。実は丁度 「真夏の夜の夢」の新しいプロダクションのためにニューヨークのMET(メトロポリタン)に行って来たところです。アクセル・ケーラー1) は、その時に僕の代わりに歌ってくれるすばらしい同僚です。BM:「大きな」オペラの夕べと「小さな」歌のプログラムとでは、どちらがより楽しいですか? JK:正直なところ、歌のプログラムですね。そこでは全てが まったく僕だけにかかってきます。オーケストラ(団員)や指揮者、照明(係り)や衣装(係り)と係わりがない。こういう「夕べ」(=リサイタル)では歌手、ピアニスト、そして聴衆との三者関係に入ることができます。お話を語りかけることができるというのは 何か素晴らしいことなんです。「美しき水車小屋の娘」のように一連の歌曲集成につながる、そんな小さなお話の数々です。 BM:あなたにとって「美くしき.....」のチャレンジは何でしょう。 JK:ある意味でこれはソロオペラの夕べなのです。一人舞台の作品です。シューベルトがオペラを書きたがっていたことは良く知られています。しかし成功しませんでした。それはテキストが良くなかったからです。同時にこれはすばらしい音楽です。大作歌曲集「冬の旅」と「美しき....」の双方は、シューベルトの才能を最も良くあらわしています。このふたつの歌曲集をいつの日か劇的に上演するというのは 私の夢のひとつです。 BM:カウンターテナーとアルトの違いは実際、何ですか。 JK:それらの概念は実際、無価値です。カウンターテナーはイギリスの聖歌隊の伝統に由来します。その背後にはビブラートのない歌唱技術があり、教会音楽に理想的です。 BM:演奏会のマネージャーが「イギリスではカウンターテナーが山ほど存在する。」と冗談半分に言っていましたが、どうしてドイツではそうではないのでしょうか。 JK:イギリスでは音楽に対する理解が、我々ドイツ人とは異なります。イギリスでは、大きな町や市には必ず聖歌隊があります。そしてアルトのパートは全て若者が歌います。ドイツでは、それを恥ずかしいことだと思います。男はそんな歌い方をするものではないと。 BM:あなたはどのようにしてカウンターテナーになったのですか。 JK:僕にとっては これは偶然に掴んだ一本の藁(わら)に過ぎませんでした。私は6年間にわたり、ベルリンの音楽学校でテナーの勉強をしました。私の耳にはいつでも Fritz Wunderlich2) の声が聞こえていましたが、自分の声をテープに吹き込んでみると、結果にはとてつもないギャップがありました。ある日、私はオルフェウスのアリアを同級生と歌いました。伴奏のピアニストが言ったのです。あなたはカウンターテナーですよ! BM:そのとき以来、声に気づくような変化はありましたか。 JK:ええ、もちろんです。年を経るにつれてより暗く、より劇的な声になりました。METのような大きなオペラハウスも(歌声で)満たさなければなりませんでしたからね。 BM:あなたにとってのドリームロールはありますか。 JK:それはグルックのオルフェオです。ここコミッシェオーパーで1987年以来、Harry Kupfers のプロデュースで歌っています。 BM:一緒に仕事をして見たいような舞台監督というのは存在するんですか? JK:Thomas Langoff については、とても良い思い出がああります。演劇監督たちって オペラ歌手とは(俳優とは)違う風に扱うので、彼らはそもそも僕らをわくわくさせてくれる存在だと思いますしかしシンガーは俳優のように同じことを百回も繰り返すことができないので、中断しなくてはならないことがしばしばあります。声を出さなくても良いなら別ですが。また例えば一度 Frank Castorf にプロデュースしてもらえたらうれしいです。すばらしい「こうもり」を上演できると思います。 |
翻訳者ノート |
1) Alex Koehler は Capriccio からヘンデルを歌ったソロCDを出している(10547)。またEMIでなく Capriccio から出ているオムニバス「カストラートの世界」(10543)にも彼の声が収録されている。 2) Fritz Wunderlich がすばらしいテナーで歌う「水車小屋の娘」は Amazon.comで試聴できる。 © 1999 by Cleofide
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http://oakweb.ca/harmony/kowalski/schoenen-j.html |
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