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元記事はここです。 BZ 1998年10月27日付 Kowalski, der Sirenemann (PDF) |
BZ は今日コミッシェオーパで100回目の「オルフェウスとエウリディーチェ」を歌うカウンターテナーと対談した。 |
44才の Kowalski は、今夜コミッシェオーパで100回目のオルフェウスを、彼を有名にした「鐘のように明るい声」で歌う。ブランデンブルグの Wachow で肉屋の息子に生まれてから、ニューヨークの MET でのスターの座に登り詰めるまで、彼は並はずれたキャリアの持ち主である。彼は変声期以降も少年の声を保ち続けた。これは去勢の結果でもなく、あるいはファルセット、すなわち声帯の訓練による裏声でもない。コヴァルウキーの場合、11才の時に髄膜炎にかかったのが、この神々しい美声の秘密である。病気のために喉頭の成長が妨げられて、彼の声帯はその端でしか振動しない2)。「一種の欠陥」とコヴァルスキーは語る。この欠陥が世界のスターを作り上げた。ドイツで最も有名なカウンターテナーとして、彼は「オルフェウスとエウリディーチェ」を11年間歌い続けた。BZ は Unter den Linden でコヴァルスキーにインタビューした。 |
![]() BZ:あなたは日本でも、MET やロンドンのコベントガーデンにおけるのと同じくらい人気がありますね。有名になるまでの道のりは遠かったでしょうか。 JK:その通りです。全ては子供の遊びから始まりました。そこで私は初めて歌い、自分の声を発見したのです。 今や私は12月の24日にMETで「こうもり」を歌います。これは非常に愉快なことです。 BZ:あなたは声変わりがなかったのですが、当時、あなたの周囲の反応はどのようでしたか?JK:別にどうってことはありませんでした。それ以外には何も影響はありませんでした。 BZ:あなたはカウンターテナーですか、アルトですか、それともカストラートですか? JK:私にとっては、どれも同じことです。以前は色々な名前で呼ばれることに閉口しましたが、 今ではすぐに腹を立てるようなことはなくなりました。 BZ:女性の役も歌いますか? JK:決してしません。女性のことは女性が一番良く知っています。オファーはしばしば来ます。 例えばミュージカル「シカゴ」で女性の役をしないか、とか。でも、私は女性が男性の役をするのも好みません。 BZ:100回ですよね。オルフェオ。実際のところ毎回違っているものなんでしょうか。 JK:当然です。100回と言うのはオペラの歴史でもユニークですね。 オルフェウスは私のドリームロールであり、私の運命の一部です。歌うことがそれだけで生き甲斐になるのです。 BZ:出演することが退屈になったりしませんか。 JK:あり得ません。毎回非常に刺激的です。そしてこれは、国際的にも大きな成功でした。毎回、驚くようなことが起こります。 BZ:例えば? JK:エルサレム公演でのことですが、私の手からギターがすべり落ちてステージの床にあたり、 コンサートマスターのバイオリンのネックに当たりました。バイオリンの価値は10万マルクでした。それが壊れてしまったわけです。 BZ:ジョン・サザーランドやパバロッティとの競演は、エキサイティングなものでしたか? JK:お二人とはロンドンのコベントガーデンで、「こうもり」の公演をしたときに会いました。彼らはすばらしかったです。 しかし彼らはその道に秀でているので、要求されるものも大きいのです。それが最後の最後まで続きます。 BZ:「FAZ」であなたについて「視覚的オーラを呼び起こす宗教的カリスマを持った声」と、評されていますが? JK:それ翻訳してくれませんか。そんな風に話されたら話が続きません。 私はシンプルな人間に対して歌いたいのです。観客としては、オペラよりも映画の方が好きです。 家には1000本を超える映画があり、探しているものがなかなか見つかりません。 BZ:オルフェウスを100回歌ったことで、あなたのプライベートライフが色あせるようなことはありませんか。 JK:仕事とプライベートライフは、はっきり区別するべきです。そうしないと頭がおかしくなってしまいます。公演後、メークアップを落としたらまた元の Jochen Kowalski に戻ります。とてもノーマルな人間です。 BZ:で、そのノーマルな人間の1日はどのようなものですか? JK:全然スペクタクルではないですね。毎朝お風呂に入って、車を運転してリハーサルに行って友達に会います。 BZ:あなたは MET を熱狂させましたね。 JK:それについては、私はとても感謝しています。私以外に MET に出演したことのあるブランデンブルグ出身のアーチストは Perleberg のロッテ・レーマンだけです。MET に行ったとき、壁に彼女の肖像画がかかっていることに気がついた私はつぶやきました「ロッティ、どうぞ私に力を貸して下さい。」 そして彼女は私の願いに答えてくれました。 |
以下はPDFファイルの方にだけある囲み記事 |
高い男性の声の歴史 カストラートから喉頭欠陥まで 最初のカストラートがスモレンスク(ロシア)で歌ったのは1137年である。ドイツ語の Kastrat と言う名前は Castrare(ラテン語で「切断」を意味する)に由来する。中世においては、 思春期の声変わりを防ぐために声変わり前の少年の睾丸を切除した。そうすることで彼らは少年の声を保ったまま、肺活量が増大したのである。 切除の理由: 女性は教会で歌うことを許されず、少年がその高い声で代役を務めた。1587年に教会が去勢を禁止するまで、去勢の専門家が訓練された。ドクター Karsten Nubel (35才) は、Benjamin Franklin 大学病院で喉頭障害を専門とする。彼はカストラートの現象についてこう説明する。 「喉頭は男性では一気に成長します。ピアノの弦が長くなれば音が低くなるように、喉頭が長くなれば声は暗くなります。 カストラートの場合はホルモンの影響によるこの成長がありません。彼の喉頭は女性的なのです。」 カストラートのふりをすることはできますか?と言う質問にドクター Nubel は笑った。「決してありえません。カウンターテナーは声を訓練して、 それを意図的に使うのが限界でしょう。」 [図の説明]
シンガーの喉頭 [写真の説明] Unter den Linden を散歩する Jochen Kowalski [挿入写真] コミッシェオーパでオルフェウスを演じる Kowalski撮影:Koester, Lagenpusch |
翻訳者ノート |
1) セイレーンとは、ギリシア神話に出てくる美しい歌声で近くを通る船人を誘い寄せて難破させたという半女半鳥の海の精。詳しくはこのページを参照のこと。 ここでは男性なのでそれに「マン」をつけている。 2) これについては、通常のファルセットの一種にすぎないと反論している評論家もいる。© 1999 by Cleofide
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